熟室米の成り立ち
米は”八十八”と書く事から、機械化が進んだ現在でも手間を惜しまず、決して手を抜く事なく、手作業にこだわり米づくりをしております。
また、便利な化学肥料が当たり前の時代でありながら、自然に近い環境のもとで1年以上手を掛けて、自ら育てた有機良質堆肥を使い、秋の収穫後から翌年の春まで微生物による徹底した土地づくりを行っております。
こうして、冬期間も手を抜く事なく土壌管理を行い、周囲の環境に影響されることのない生物多様性の生態系を創り上げた田んぼで、こだわりの米は育まれております。
お米づくりは土壌改善から
私たちが普段口にしている米や野菜などの農作物、その全ては”土”が食べやすい様に変化した物と捉えております。したがって土壌が良くなければ、良質なお米はできません。良質なお米とは、人間の体にとって良い作用をしてくれる物でなければなりません。
「熟室米」は、徹底した土作りによって育まれております。エネルギーの高い土壌にする為には、良質な堆肥でなければなりません。良質な堆肥とは、未熟ではなく、完熟でもない、熟成し続ける堆肥です。それには、エネルギーの高い微生物が不可欠となります。常温で熟成を促進する施設(熟室)で、良質な微生物堆肥を作っています。微生物には色々な種類があり、堆肥の原料には細菌、カビ菌等の糸状菌(低温菌)と言われる悪い作用をする物がおります。その原料に天然由来の特殊資材を混ぜ、60度以上で数ヶ月発酵、更に1年掛けて熟成させ、良質な放線菌(高温菌)を作り上げます。その堆肥を収穫後の秋に田んぼにすき込み、その後水を張って地表の温度を保ち、常に微生物が活動できる様にします。
翌年の春、田起こしをする頃には、エネルギーが高く周囲の環境に左右されない独自の生態系を作ります。その土壌で育てられたお米は、エネルギーが高く、従来コシヒカリの特徴である「旨み」「粘り」「香り」を最大限引き出した酸化しくい物に育っております。更に、収穫後は熟室施設で調整、保管する事により熟成され、身体にやさしい、子供にも食べさせても安心なお米に仕上げております。
越後農匠 小林孫左衛門